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2011年 11月 16日
11月11日は聖人サン・マルティーノの日。今年2011年はまたと来ない11.11.11と11が3つ並ぶ特別な日である。これにちなんで皆何か異変が起こるのではといらぬ想像をした向きも多かったようだが、この地ではいたって穏やかな日和、我が家に関しては平穏に終わった。とは言えその翌日にベルルスコーニ首相が辞任、イタリア前代未聞の長い政権に幕を閉じたたという事実は無視できまない。やはり11、11、11の効果か。 さてこの時期をイタリアではEstate di San Martino、文字通りの意味はサン・マルティーノの夏と呼ぶ。 日本で言う小春日和のようなもの。 晩秋になり、一時の冷え込みが一旦緩むのがこのサン・マルティーノの11月11日から10日間ほど、11月20日ぐらいまでの間。日中は日向にいるとぽかぽかする陽気である。それ故に「サン・マルティーノの夏」と呼ばれる。英語国ではインディアンサマーという表現があるが、聖人にちなんでの呼び名はいかにもカトリック国イタリアのお国柄である。まさに現在そんな小春日和が続くトスカーナ。 サン・マルティーノは庶民にも大変好まれた聖人であるが(フランスの子供達の民謡でフレールジャックの調べを知っておられる方はあるだろうか)実は4世紀ローマ帝国領であった現在のハンガリー生まれのローマ軍人でトゥールのサンマルタンとしても親しまれている。彼にまつわる庶民に伝わる「マントの伝説」が残っている。サン・マルティーノはある日アミアンの城門の前で半裸で震える物乞いを見て哀れに思い自分の着てきたマントを半分に切って与える。その慈悲深い心を思い神様が二人を助けるために暖かい空気を送り込んだ、かくしてこの時期の暖かい小春日和をこの聖人にちなんで名付けたわけである。 伝説はさておき、この時期のイタリアを含む地中海地域は高気圧に覆われ寒さが緩むというのは実際に気象庁の1968年から40年間の気圧配置を比べて見てもわかり、11月11日から20日までの間は同様の高気圧に覆われた配置図であることが証明されている。民衆伝説と科学的な気象結果が結局は同様の自然現象を示しているのは、まさに人々の間で長く伝わる自然に関する言い伝えや諺などは実はかなり正確な真実を語ることの証であると思う。 「サン・マルティーノの夏」のこの時期、その年収穫した葡萄酒ができあがり、樽の蓋をあけてヴィーノ・ノーヴォ(新酒)を味わい、収穫された焼き栗を頂く、というのが伝統である。ちなみにイタリアでは葡萄酒の守護聖人でもあるサン・マルティーノである。 言わずもがなか。 ![]()
by jamartetrusco
| 2011-11-16 04:15
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