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2012年 02月 21日
再びヴェルナ−・ヘルツォグの映画。 ドキュメンタリー映画でありながらヘルツォグの夢の徘徊する幻想映画のようである。 タイトルは英題はCave of Forgotten Dreams ー文字通り失われた夢の洞窟。 1994年にフランスの考古学者によって発見されたショベーの洞窟画である。 南中部のアルデーシュ川沿いにある山合いの中の洞窟で、象徴的なアーチ型の岩場の ある川。 どうして発見したのだろう。中からにじみ出る気が感じられて入ってみて、発見された というような夢のような話。 ラスコー洞窟画やアルタミラの洞窟画と並んで重要な発見である。 この洞窟は密閉されていて発見された後でも非常に限られた数の学者しか入っていない。 ラルコー洞窟も観光客の入窟にて有機物の導入によりカビが生えてきたということで 今では入窟はままならないと聞く。 このシュベーの洞窟は内部の環境を変えないために一般公開はされていないため ヘルツォーグのドキュメンタリーはその意味で貴重な記録として存在する。 なぜヘルツォ−グが撮影を許されたかというと、ショベー洞窟の管轄の地域の行政の 担当者がまずヘルツォーグの映画のファンであったこと。そしてへルツォーグが映画 を撮影するかわりにその映画をこの地の教育機関に無償で提供することを約束した ことから実現した、と語っていた。 このドキュメンタリーは3D映画である。限定の上映であったため3D上映は見逃したが DVDで観たその映画は感動を誘う映像とヘルツォーグ独特の淡々とした語りが真実を 露にするものであった。 洞窟画は信じられない程の生き生きした動物の描写。30000年程前に描かれた絵である。 そして動物の骨やその当時の人間が残した松明の跡まで壁に残っている。 頭がくらくらするのは30,000年前の絵を修正したのがその後5000年経った後というのが 解明されていることである。 一体どうしたらそんな時代性が解明できるのだろう。 さらに感動的なのはその絵を描いたらしい人の手跡まで残っているのである。 小指が少し曲がった人であると言う。 人間の歴史とはなんだろう。何万年を経た今、私たちは将来の子孫に何を残せるのだろう。 醜い建物、危険な原発だけ残すような人類としての我々があってはあまりにも子孫に申し訳ない。 ドキュメンタリー映画でありながらこれほど人の夢を広がせてくれる映画も少ないと思う。 ヘルツォーグの偉大を改めて感動できる映画。 絵を描く人々には衝撃的な映画である。制作とは、絵描きとは? ![]()
by jamartetrusco
| 2012-02-21 02:07
| Cinema (映画)
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