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2012年 09月 09日
![]() 少し前のブログでも紹介した塩谷氏の「ひとてま」プロジェクト。 インスタレーションの最後を飾ってフィレンツェを一望できる屋敷の屋上にて一時の間、 「ひとてま」が出現した。滞在する間にすこしずつ、しかし着実にその数を増やしていった人の握手の象。 屋上の煉瓦の床の意匠がまるでこの大きな円のために存在したかのように端正な形を 見せてくれた。 まさに日の沈む寸前の黄昏時のイベント。アペリティーヴォのひと時をこの素晴らしい 屋上の持ち主であり、塩谷氏の友人である画家の彼が近く帰国される塩谷氏へのオマ−ジュ として見事に演出してくれた貴重な一時。 夕日とアルノ河と河を超えたフィレンツェの大聖堂のクーポラと、そして360度見渡せる パノラミックな美観と、最後の夏の暑い太陽に温められ自然熱を蓄えた石壁と煉瓦と を一挙に手中にして、夕焼けにやや染まって並ぶ手の握手の陶片はその円形に巡りめく 人々のエネルギーを集結して回る 惑星、ミクロコスモスのように厳かに回りを包みこんで くれるようであった。人間が太古から自然の形象や暁と黄昏をあがめる儀式にも似て。 さて日本に帰ってからどこに現れるのだろう。 表現はひとつの時空間から次の時空間に移り行く終わりなき過程としてwork in progress- 進行中である。またそれぞれの陶片がひとつずつ完結しながらも全体の大きな円の 一部をなすという意義。 そして置かれた回りの環境や空気、色彩を反映する焼き物の白い繊細な形のハーモニーが とりわけ美しい。 ![]()
by jamartetrusco
| 2012-09-09 22:19
| Arte (芸術)
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