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2013年 03月 28日
ロンドンにあるWellcome Collectionという異色な財団美術館にて開催されている 日本からのOutsider Art展の記事を読んだ。 最近富みに現在の美術界への懐疑心が増殖して、いわゆる現代美術館で行われる現代アートへの 興味が薄れつつある中、精神と想像、創造について再考できる展覧会のようである。 存在する知らなかったこの財団美術館はヘンリー・ウェルカムという19世紀のアメリカ生 の英国人の薬剤事業を手がけた先駆け的人物の収集したコレクションを常設。 薬学に関するすべてを集めているようだ。従来の液状や粉末状の薬から錠剤を発明した のはこの人らしい。次回渡英時には覗いてみようと思う。 アウトサイダー・アートという題名からもわかるように、展覧会は通常のアーティストの 作品を紹介するのではなく、社会福祉施設に住むか、もしくはデイケアーの世話になっている 心身障害のある方々46人の約300点の作品展である。作ることがセラピーとしての効果 を持つことから「日常の時間」イコール「ものを作る」というような状況から生まれた作品群。 その表現はプリミティブであるかもしれないが、魂のエコーのような直裁な表現である。 誰かのため、市場のため、展覧会のため、と言った「大義名分」の存在しない、ただ作るため に作られた、作り手の心、魂、頭脳の作用するままに、自ずと発生した想像力の賜物である。 想像と創造の関係は密である。 無心の力、生まれてからだんだんと失われていくこの不思議な人間の力をどうやったら維持 できるのだろうか。 東京芸大美術館にて開催されていた尊厳の芸術展で見た、「作る」ことで「生きる」、または日常の 必要から生まれた様々なオブジェに共通する無心から生まれた「もの」自体の力。 アレの木の彫刻のデッサンもどこか無心である。 ![]()
by jamartetrusco
| 2013-03-28 20:02
| Arte (芸術)
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