2006年 08月 05日
今回の海滞在中に唯一購入した品である。Fest de l'Unitàにてドノラティコに住む篭職人のおじさんRenzo氏がスタンドを出していた。 篭職人はいまだにトスカーナのお祭りなどでときどき実演販売しているのを見かける。素朴な趣きのご夫婦でアレと話しかけると一生懸命説明してくれる。日本の竹細工のような繊細さや精巧さなどほど遠いものであるが、このどこかざっくりした、素朴な作為がなかなか楽しい。 Crematis Vitalba(クレマチス・ヴィタルバ)、キンポウゲ科の蔦植物。トスカーナに多く繁殖している。大きいものでは高さ10〜15メートルまで成長するという。他の木にも絡み合いながら増殖していく。その枝は藤などと同じく篭細工の素材として使用される。 この町に住み出して当初からアレが教えてくれた。春先にその新芽を摘んできてfrittata(オープンオムレツ)にして食べるのである。キンポウゲ科独特の多少の毒性があるのであまり多くは食さないほうが良いらしい。ほろ苦く濃くのある味が独特である。早春ヴィタルバ・オムレツは我が家の定番である。このヴィタルバが実は篭細工の素材と同一のものなどとは最近まで知らなかった。 冬には綿のような感触の白っぽい実をつける。花は小さい4弁の白い花、香りはbiancospino(西洋サンザシ)に近い。 田舎の家の室内にぴったりのオベジェである。
by jamartetrusco
| 2006-08-05 21:19
| Natura (自然)
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