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2006年 08月 19日
![]() シエナより南下し、グロセット県内、内陸の岸壁にそりたつ町、ソラーノーSorano。昨日は日帰りにてこの町を訪れた。キャンティ地方からsuperstrada(ほぼ高速道路と同じだが無料)にてシエナへ、そして国道のCassiaへ入る。高級ワインで有名なモンタルチーノの町を過ぎて絵はがきなどでもあまりに有名なVal d'Orciaの美しい大地を抜け、アミアータの山を右手に進むこと2時間、ソラーノ方面の道へと入る。この辺りの景色の超現実的な美しさ、自然の作り出す大地の色の調和にはただただ感慨無量である。 ![]() ![]() ![]() ソラーノは近接するSovana(ソヴァーナ)とともに付近にエトルリアの墓があることで知られ、わたしも主人に巡り会う前93年の夏にこの辺りを訪れている。この地域からまっすぐ海岸へ40〜50キロ程むかうと行き着く海辺の町オルベテッロの某学校にてイタリア語を学んでいた際である。その後フィレンツェに絵画修復の勉強に向かい、そして今の夫であるアレに会う運命にあるのだが。 エトルリアについてわずかに耳にはしていたもののその時はお墓まで訪れることはなかった。 今回はエトルリア・マニアであるアレと一緒であるのでもちろんエトルリアの墓殿を訪問。これについてはゆっくりと後日に。 ソラーノの町を訪れることにしたのは、娘の学校のお友達家族がこの町に小さなアパートを持っており、また彼らは毎年8月に開催される Mostra Mercato Artigianato Antiquariato Arte di Stradaー長い命名だが要するに職人雑貨骨董市に参加しており、是非遊びに来たらという誘いがあったからである。 ![]() ソラーノはソヴァーナ、ヴィトッツァ(Vitozza)と並んで"Città del Tufo" 「凝灰岩の都」と呼ばれる。町の建物のほとんどがこの石材からできており、まわりの山や岸壁はすべてこの石に満ちているのである。軟質でやや黄色みがかった色の岩である。フィレンツェ近辺のPietra Serenaの灰色の建築物の肌合いとはかなり違った趣きである。 ![]() tufoの岸壁に立つソラーノ。岩にそそりたつという表現がぴったりの外観である。建物の色合いも岩の色に近いのでどこか岩から彫り出されたような印象を受け、その険しく美しい様相に圧倒される。木の国日本では想像を絶するまさに石の塊である。 3世紀、ローマがエトルリアを征服する頃にはすでにその存在が認められている。町自体がエトルリアの墓の上に建立されたのではと思える程、町の土台部分に墓の入り口のような穴がいくつも見られる。 ![]() 高台から見下ろすとその屋根の奏でる美にさらに言葉を失う。 ![]() ![]() イタリア全土に渡ってこの町のような文化遺産が宝石のようにちりばめられていることを思うとこの国の底力というものを今更ながら実感する。 ソラーノはまたすでに今年で6回目を迎える現代作家の展覧会”Mostra Annuale d'Arte Il Cortilone di Sorano”を毎年開催している。このような古い岸壁の町にてこのような質の高い現代アートの展覧会を観られるとは思ってもみなかった。これについても席を変えて触れたい。 ![]() 一日の旅にしてはあまりにも多くの感激が凝縮した体験。また次回に続きます。
by jamartetrusco
| 2006-08-19 22:52
| Viaggio(旅)
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