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2007年 01月 29日
![]() あるひとつの形が生まれるまで。作り手の頭の中にさまざまなイメージが試行錯誤するのだと思う。 作家の工房を訪問するとしばしば目に入るのがお気に入りの芸術作品のポストカードや切り抜きが壁にひとつのイメージボードのように貼られていることである。 ゼロからひとつのイメージを創造するのはさほどたやすいことではない。作家によっては自然の現象や事物が発想の源になっている場合もあるし、また過去の創造物ー絵画、彫刻、建築などーまたは他の文化に属する色彩、オブジェなどが刺激となって自ずの表現の礎を作る場合もある。かのピカソであれアフリカの仮面やオブジェがキュービズムを考案する重要なインスピレーションになっているのである。found objetを使った作品しかり。 芸術は古今東西を問わずそれぞれが刺激し合ってまた相互交換、影響し合いながら再生してきたのである。 印象派に与えた浮世絵の衝撃は言うまでもなく、日本の工芸、装飾美術、建築の意匠が西欧のデザイン史に与えた影響たるや偉大である。 故にすべての作家の作り出すイメージは「何か」または「どこか」から抽出され自らの表現との調和、展開の末、生まれてくるものであろうと思う。 アレの制作をひとつの水面と喩えるなら、その水源はフィレンツェに根ざしたルネサンス、マニエリスム美術であり、そしてそこにときどきシュールリアリスムや象徴主義の水滴がぽつりぽつりと輪を描いていた。最近ではそこに日本の美学の輪が加わったわけである。 その輪はときどき共鳴しながら、または反撥しながらアレ独特のイメージとなって広がっていくのである。 アレのイメージの中にときどき現れるのはマニエリスムの、シュールリアリスムの「くねくね」「歪み」である。アレ→ポントルモ→ダリ→アルプ→アレ。 オリーブの木のイメージから生まれ、はてはドゥローイングまで展開していくこの図式。 作り手の頭の中に渦巻くイメージの連鎖は実に面白い。 ![]() ![]()
by jamartetrusco
| 2007-01-29 20:21
| Arte di Ale(アレのアート)
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