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2007年 03月 09日
ロンドン、ミュンヘン、パリの旅行を振り返って、実に多くの「かたち」との出会いがあった。 形、象、モニュメント、人がた、オブジェ、器、仮面。 なにゆえ人はある「形」の前で感動、畏敬、憧憬の念を抱くのか。 太古から人間の歴史には土偶や儀式の仮面、祭儀の器、食する器など日常、非日常の営みに不可欠なオブジェの創造が必要であった。それはまた神殿、墓標、ピラミッド、トーテムまたはそれに相当するモニュメントへと繋がって行く。 そしてこのようなモニュメントを制作する作り手の中から時代を経て芸術家の立場をとるものが現れる。 生と死に関わる土偶の表現志向は芸術家による純粋な形の追求に内包され、モニュメントはインスタレーションへと変貌する。ある作家の時代を先駆ける前衛的な表現はそのインスピレーションの源へと人の目を導いていき、常に存在する「美」の再発見を促して行く。 人の作る「かたちの美」は時代とともに形を変えながらもその美の源へつながる糸を編み込みながらさまざまな応用を繰り返すのである。バロック音楽が同じテーマのバリエーションから限りなく広がりを持つのに似ている。かたちの連続性、類似性とメタモルフォーシス。 ![]() アンセルム・キーファーのセメントの塊を積み上げたモニュメント。ギリシャ神殿の柱さながらである。 ![]() ![]() サイ・トンブリーの日常のオブジェを組み合わせながら、「白」で被うことによってそこに記念碑的な神秘性を作りあげる彫刻。 ![]() ヨセフ・ボイスの石塊のインスタレーション。 石の古色蒼然とした力強さを感じる。崩れかかった太古の遺跡を想起させるからか。 ![]() ![]() アンリ・ロランスの石の人がた。キュービズムの幾何学的構築。 ![]() ヤン・アルブの白大理石のフォルム。オーガニックな形のダダ的、シュールリアリスト的解釈。 ![]() ![]() パブロ・ピカソの原始回帰。 プリミティズムを再発見した彼の天才。 ![]() ![]() コンスタンティン・ブランクーシの鳥。鳥をこれほど抽象的にそして本質的に表した作家はいないだろう。 鳥が抽出され、昇華されたかたち。天へと届かんとするばかりの限りなく続くトーテム。彼の生地ルーマニアに古くから伝わる死者をとむらう記念碑としての柱を抽象化した形。 そしてずっと時代を遡って縄文時代の土偶。 すでに説明はいらない超然とした姿である。宇宙的表情。 ![]() 国と時代は忘れてしまったが曲線と鋭角の調和の美しさが突出している刃。 ![]() 限りなく展開し、変貌し、昇華し、そして原点に回帰していくかたち。
by jamartetrusco
| 2007-03-09 21:29
| Arte (芸術)
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