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2007年 05月 19日
![]() Galleria Alessandro Bagnaiは1987年シエナにて創立した現代アート・ギャラリーでその後フィレンツェの骨董店の並ぶVia Maggioにあったのだが、最近、中心からやや外れたガヴィナーナという地区へと移った。 フィレンツェの中では数少ない現代アートのギャラリーで、なんといってもこのギャラリーの特色はその空間の広さと美しさである。元々自動車の整備工場とか、そういう類いの空間を改装したのだろう、今では見事な自然光一杯のギャラリー・スペースとなっている。 企画展は年に2〜3回という少ない回数ではあるが定期的に行っている。扱い作家は国際的に有名な各国の作家とイタリアの現代作家の有名どころから若手作家。 昨日は取り扱い作家のパオロ・グラッシーノ、ピエールイジ・プーソレ、フランチェスコ・セーナの3人展。3人とも偶然か故意かわからないが、生まれも含めてトリノにて仕事をする作家ばかり。 展覧会の主軸となるコンセプトは「人」と「自然」、もしくは自然が打ち出す次元と人の作為や文化がそこにどのように対応するか、の関係を問うといったことらしい。 ここのところよく出会っている作家仲間のカルロとアンドレアと約束してオープニング会場で直接落ち合った。 まずはスペースの大きさに驚く。まるで美術館の中のスペースのようで、こんな空間はニューヨークのソーホーあたりでもなかなかない。 あまり映像を撮っては失礼だろうと遠慮がちにカルロの後ろ姿を前景に一枚。 ![]() 作品は2次元の作品を作るプーソレとセーナ対巨大彫刻のグラッシーノ。 グラッシーノの彫刻はバスルームの床にひいたりするゴム素材を紐状に切ってそれを鉄は木やポリステロールの彫刻型に被せフォルムを完成させる。鹿や鹿の頭など、リアルな動物表現がこの人工素材から作り上げられている。逆説的な自然像。 第2展示室にある巨大な黒い彫刻は何と中に逆さに置かれた車のまわりにチュープを何本もつけて、まるで枝が交錯する森林の残骸のような巨大オブジェを見せている。 心臓部にあるものと表象として見えるものとのアンビバランスが面白い。 そして第1展示室には心臓の形であろう黒い塊。アルミニウムを黒く彩色している。 存在感のある心臓である。 ![]() 実はこのオープニングのことを紹介したかったのは芸術批評をするためではない。 空間の他に驚いたのはパーティーに出される飲み物、食べ物の驚くべき量と質である。 6時頃から始まって8時も回ったのでそろそろ娘を迎えに帰ろうかな、と言い出したら、カルロもアンドレアも「これからが本番、プリモ(パスタの類)が出てくるからそれを食べてからにしたら」と居残るように勧める。このギャラリーのオープニングはなんとパスタなどの暖かいお皿も出すことで有名らしく、それを知ったる常連者がたくさん控えているのである。 上質のシャンパン、白ワイン、生ハムやタルトゥッフォ入りプチ・パニーノなどはほんの序の口で、グラスが空くと即ついでくれるボーイさんたちの大サービスのおかげでもうすっかり上機嫌になっていたら、8:30頃からいよいよ小皿に乗った冷製パスタやらパッパ・ディ・ポモドーロやらクスクス・サラダやらチキン・サラダやら、まあどんどんと出てくること、出てくること、、。そしてシャンパンも白ワインも、、次から次へ。そしてその味たるや下手気なレストランで食べるより美味しいのである。 あまり意地汚く食べても、と、やや恥ずかしい気持ちはあるものの、お盆に載せて「どうぞ」と目の前に出される小皿はなんとも食欲をそそる。Grazie, Prego、と連発しながら何皿食べてしまったことか。。 そして究極はデザート。これもチョコムースからクレーム・キャラメルからフルーツトルタからまあ4〜5種類のデザートを出すのである。 この辺で娘を連れてきてくれたアレの弟と合流。娘もこの美味なデザートのお相伴に預かり、それではこの辺でいよいよ失礼、と帰ってきたのだが、たぶんあの後、コーヒーが出て、もしかするとグラッパも、限られたお客さんには出て来たのでは。 世界色々なオープニングに顔を出したが、こんなに食事と飲み物と充実したパーティーに出くわしたのは初めてである。シャンパンいったい何杯飲んだかな、、、。 そして満腹、ご機嫌で楽しい作家仲間と飲み話しまくり。 ギャラリー・オープニングに来たのに、こんなに食べて飲んで良いのかな、数多くいるこのお客達の中に作品を買うコレクターなどいるのかな、などと余計な心配をしながらも、大変充実したひと時を過ごせた。企画展が少ないのもその辺に理由ありか。こんなパーティー毎月できないですよね、やはり。あまり圧倒されてお皿の画像はいっさいなし、ご勘弁のほどを。 嗚呼、太っ腹のギャラリー主に乾杯。
by jamartetrusco
| 2007-05-19 03:41
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