2007年 09月 06日
以前にも彼の存在について書いた。銀行支店長のジャンニ氏。 「ジャンニの家」と呼ぶにふさわしい彼の魂の住処。 ご夫妻は4月から10月の季節の良い間には遥かトスカーナの遠くの山々まで望める高台の家に住んでいる。やっと家の改装がすべて終了したとのこと。廃墟だった石造りの構造を自分の好みに合わせて細部を改装していく過程はイタリアの古家の醍醐味だろう。古い要素と新しい要素をうまく組あせて小さいながら住み心地の良さそうな家。 自ら絵やテラコッタ彫刻、木彫刻をなす彼であるので家も自身の作品や他の作家友達の作品に満ちている。 隣はまだ廃墟のままで窓辺からのその光景は絵画さながらである。 小さな壁面の穴をそのまま埋めずに細部の意匠として残す。 ガラス張りに移ったジャンニとアレはまるでオランダの静物画のようである。 何故かすべてが絵画的である。 おとといの嵐で急激に晩秋の涼しさとなった昨日、叙所に雲行きがあやしくなってきた午後の日差しの中、丘の上の家に到着。突然の豪雨など来ないことを望みながら。 時折見せる太陽の日差しが待ち遠しい。丘高いだけあって気温もぐっと涼しい。 目的は彼の庭作り構想についての相談。Percorso d'arte アートの散歩道を作りたいのである。家の周りの敷地がかなりあり、ちょうど入り口から家までの道程が散歩道に最高であるのでそこを彫刻の庭にしたいのである。単に彫刻をぽつんぽつんと置いたお決まりの彫刻ガーデンではなく作家の手が自然に関与したような自然と人為の調和したような庭にしたい、という彼の希望はアレの着想と限りなく近い。日本の造園に憧れる。 いつからかある大きな岩の塊の上にかぶさる緑。この自然の神秘をそのまま活かしながらそこにアレの手を加えて行く。ワイルドな自然と対してそこから何が見えてくるかやってみよう。 自然と対すること、庭の木や植物と対していることの大好きなアレであるので、空いた時間にここに来て自然からエネルギーをもらいそして与える。これからのひとつのプロジェクト。 彼の敷地をずっと散歩していたら最後にひゅーっと急に突風が吹き出した。これは大変、 大雨になるかも、と家に急ぐ。空が逆さまになったような雲の趣き、空がまるですぐそこにあるような。 天と地、まさにここにありき。
by jamartetrusco
| 2007-09-06 16:31
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