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2008年 10月 14日
Renaissance Faces「ルネサンスの顔ーヴァン・アイクからティツィアーノまで」 という展覧会がロンドンのナショナル・ギャラリーで明日から開催される。題のごとく、ルネサンス時期の人の顔の表現をみる展覧会である。顔の表現として代表的なのは肖像画である。肖像画がとりわけ魅惑的なのはまさにルネサンス時期の15世から16世紀にかけてさらにレンブラントやヴェラスケスの活躍する17世紀であろう。その後18世紀、19世紀初頭のナポレオン全盛期にかけての宮廷や王宮人の肖像画はどうも権力の誇示だけのものが多くてあまりばっとしない。もちろん、ゴヤやアングルのような例外もあるが。 ルネサンス期の肖像画は特にモデルの人物の外面と内面をさらけ出した人間性を謳歌する表現が多い。それ故時には驚くほど正直で感受性豊かなものがある。写真では得られないプラス、マイナスを加えた表現である。それはとりわけ北方ルネサンスの肖像画に多い。とっくの昔に世をさっている見知らぬ人物の顔やその表情を現在生きるものが絵を通して見る、という事自体がどこか不思議な気分を呼ぶ。 ![]() 私のお気に入りの肖像画をまず一点あげろと言われればフラマン派のペトルス・クリストスの「若い女の肖像」。その超現実的な繊細な表情と色彩との微妙な調和には天上の響きがある。 そして彼が影響を与えたとされる15世紀シチリアの画家、アントネロ・ダ・メッシーナのいくつかの肖像画。彼の作品の中で最も有名なものではないが、このふたりの男の心の内までが見えてくるかのような生々しい肖像画である。やや腹黒そうな思惑の隠れた表情である。今のイタリアにも多く見ることのできる顔。 ![]() ![]() 「顔」の特徴と言えば、人間の骨格や造作と犯罪との相関性を説いた19世紀イタリアの犯罪人類学の創始者チェーザレ・ロンブローゾがいる。簡単に言えば犯罪者の顔は共通した身体的容貌があるということである。ひとつ間違えると危険な論にもなりかねないが、まさに一理あり。まず骨格があり、犯罪者になるのではなくて、あるひとつの環境にあると顔つきや身体も犯罪者としての共通性を得てくる、ということであろう。以前読んだことがあるのだが、犯罪者の多くに共通する事実はジャンク・フードを食べ続けていたことであるそうだ。食は人間にとって大事な要素であり、食べるものによって骨格が変わってくるのは間違いない。これもロンブローゾの犯罪面相学につながるようである。 外面ではなく内面こそ人間の価値を作る、とは言うものの、それもある程度であることはこの世の中の様々な仕組みをみても明らかである。美男美女の方が醜男醜女より得することは明白であろうから。 今回の展覧会にはどんな「顔」が隠されているのか、この秋ロンドンにて是非観てみたい展覧会のひとつである。
by jamartetrusco
| 2008-10-14 22:56
| Arte (芸術)
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