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2008年 11月 19日
![]() Fritz Kahn (1888~1968)は1920年代に今見ても驚く程新鮮な人間解剖図を残している。解剖図と言っても医学的に見たものではなく、当時の機械文明到来の現象としてデザイン、芸術分野に開花するモダニズムの一側面と言える人体の構造と機械の構造をダブらせた極めてシュールリアリズム的空想性の高いものである。しかしその空想性の中に実は人体のメカニズムの真実も内包しているようである。 昔から今に至るまで人間は体の構造に興味を持ってきた。 最近あちこちで出回っているドイツのギュンター・フォン・ヘーゲンという解剖学者により企画されたBody Worldsというややグロテスクな展覧会も人間の体の内部がいかなるものかへの怖いものみたさに似た興味の現れであろう。 16世紀以降印刷の発明もあいまって様々な解剖学の本も世に出ている。 解剖学(アナトミー)の夢想性を見せる大変興味深いサイトがある。 文字通りDream Anatomy。解剖学に見るデッサンの面白さ、発想の豊さは広大なる地平線上にある。 その中で特に目に留まったのがこのカーンの解剖図。 ダリやエルンストも顔負けのシュールなイメージの中で捉えられる人間像。 人間をひとつの工業的構造ーMan as Industrial Palaceーの縮図として捉えた斬新さ。 ![]() いったいどういう人物か調べたいのだが、あまり情報が得られないのが残念である。 彼がユダヤ系ドイツ人で、ナチ・ドイツ時代に迫害を逃れて40年にアメリカに移住したことしかわからない。 挿絵画家なのか、画家なのか、それとも医学博士なのか。 その生い立ちや歴史は不明であるものの、そのデッサンが多くを語っている。 肺(図1)、鼻孔(図2)、眼球(図3)、神経(図4)の構造を豊かな想像力のもとにひとつの象徴的なイメージとして表している。 機械文明と独裁政権に支配される21世紀を描いた資本主義と共産主義のダブル批判とも見えるフリッツ・ラングの名作「メトロポリス」が1927年制作であるのも意味深い。 産業革命以降、機械が社会の前衛と見えた時期にこそ生まれ得たものであろう。 今その機械文明が袋小路に辿り着いてこれから先の人間像はいかなるものになろうか。 ![]() ![]() ![]()
by jamartetrusco
| 2008-11-19 00:01
| Arte (芸術)
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