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トスカーナ 「進行中」 In Corso d'Opera

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2015年 05月 13日

Caffe Letterario Gallery

今開催中の写真展、JAPAN。
展覧会は6月4日まで。
元々監獄だったLe Murateという場所は近年改装されてアパート兼文化施設や
レストラン、バーと成り代わった。
多少の助成金が得られての経営と思えるが近くにあるフィレンツェ大学の
建築家の学生達が多くたむろするところでもある。
初夏の素晴らしい日差しの中日曜日に展覧会の様子を見に行った。
人のにぎわいはかなりあるものの展覧会を観る人はどれだけいるだろう。
しかし展示作品に変わりなく、安心。

フィレンツェの大部分は観光客の巣であることを考えるとこの場所は案外
穴場かもしれない。
それぞれがそれぞれの思いでこの場所を使っている感じがした。

展覧会が終わるまでにもう一度足を運ぼうと思う。

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# by jamartetrusco | 2015-05-13 04:11 | Arte di Ale(アレのアート)
2015年 05月 06日

新しい隣人

長く空いていた下のアパートについに新しい隣人が越してきた。
北イタリアからこの地に仕事のため越してきた若いカップルである。
まだ好奇心旺盛で楽しそうな二人。これから交流して行きたいと
思う素敵な二人である。
ところで彼の方はどうもpolici verdi(緑の指)の持ち主らしく今まで
土だれけの荒れ庭の部分に様々な野菜を植えて畑と変貌させた。
ズッキーニ、トマト、ルッコラ、 茄子、などなど。まだまだまばらに
見える畑だが夏にかけてかなりの野菜畑となるだろう。
こちらも少しお相伴に預かれるかもしれない。

下に住人が来るのは善し悪しでもある。今まで勝手放題に行き来して
いた庭が少しだけままならなくなる。
また夏のテラスでのプライバシーが少し侵略される。
上から見下ろす側である我々はやはり下の彼らと眼が合ってしまっては
悪いから、やや窮屈な感じにはなる。

それでも若いエネルギーが新たな生命力を生むのは
大変嬉しい。特に木が伐採された後の穴を畑という媒体で生きる、
成長するーというプラスのエネルギーをこの空間にもたらして
くれるのはなによりである。

我が猫のミヌーもどこかそわそわしている。

新しい隣人_f0097102_22472526.jpg


# by jamartetrusco | 2015-05-06 23:01 | Vita (人生)
2015年 04月 27日

JAPAN 写真展

JAPAN 写真展_f0097102_17395460.jpg


友人の詩人、作家、美術評論家のエルダ・トレス女史の監修による写真展
JAPANが4月30日より6月4日までフィルンツェのLe Murate内 Caffe Letterario Gallery
にて開催される。
写真はアレが日本との長い付き合いの中から瞬時目に止まる新鮮なイメージ、風物、風景
をその都度写真に納めた中から私が選び、そしてエルダが最終的に展覧会として
まとめたものである。
日本人なら慣れた風景として見逃す事象や色彩、質感をイタリア人のアレの眼に
面白い、不思議、美しい、と感じられるものである。
もちろん日本人の私も同様に受け止めることも多々であるけれど。
写真家ではないので写真としての完成度や技術などを見せるための展覧会ではない。
アレの画家としてのインスピレーションの源となるイメージの数々である。

日本の機微、細部との遭遇から生まれ得たアレの作品の数々。

その意味での写真展である。

# by jamartetrusco | 2015-04-27 17:34 | Arte di Ale(アレのアート)
2015年 04月 27日

蒼々

蒼々たる新緑の美しさ。満開の桜に勝るとも劣らない。
桜が散った後の京都は観光客も少し減ってかえって落ち着く。
桜と紅葉は美しいがそれゆえにあまりの多くの人の出で
その美しさを静かに味わうことができない。

仕事を終えて京都に入る。今年の4月は記録的に悪天候
雨ばかり、寒い日々が続いたが、時折現れる日の光が
それゆえになおさら有り難みを増した。

蒼々たる緑海原に友の魂、宿る。

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# by jamartetrusco | 2015-04-27 00:56 | Vita (人生)
2015年 04月 05日

Orbetello 今の源となった町

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1993年の7月。
8月から始まる絵画修復夏期講習に参加するためにフィレンツェに向う前に
イタリア語の勉強で数週間滞在した海辺の町Orbetello。
トスカーナの最南端にあたるアルジェンタリオ半島をつなぐ細長い陸地に
ある不思議な地形の町。
ラグーナ(潟湖)中央にある砂洲にできた町。
トスカーナの海辺の語学学校を探していて当時はどこに位置するなどわから
ないまま滞在を決めた町。

アレと知り合うきっかけとなった大事な町である。
この町に来ていなかったらアレと会うことはなく、今の娘も人生もないことを
思うと不思議な運命を感じる。

そんなに深い想いのある町なのに、93年以来一度も再訪する機会が得られなかった
のが妙である。

復活祭の前夜とも言えるVenerdi Pasqua (イースターフライデー)の晩に娘の
お気に入りのMadhがこの町に登場すると聞いたのがロサンジェルスに行く前。
帰ってから2日後で、6日には仕事で東京に発たなくてはいけないことを
考えると日程的にきついのはわかっていたものの、娘の情熱を重んじてあげたい
というのがひとつ、そしてもうひとつの重要な要因はコンサートの町がOrbetello
であったこと。

20数年ぶりに訪れた町、滞在していたアパートの場所や町の風景はすべて記憶に
鮮明であるが、まだ左も右もわからない当時の自分の心境とは全く違う今の自分が
長い月日を経て同じ場所に立つというのは感慨無量だ。

未熟な片言のイタリア語で暮らしていた当時、知らぬが仏の大胆さもそういう
時期にしか味わえない醍醐味である。
しかしその時には考えてもいなかったアレとの出会いとそこから始まる今の家族、
人生を思うと久々に訪れたこの町に感謝の気持ちが溢れ出る。

お美味しい魚料理のトラットリアにて白ワインと食後酒と、すっかり飲み過ぎて
ほろ酔い加減になりながら、亡くなった友人の魂を大事にもっともっと強く生きようと
心に固く決めた。

深夜の2時過ぎまで近くの屋外ディスコの公演に
熱狂している娘とそのお友達の迎えまでまだまだ時間があるので、
アレと散歩しながら生きる喜びを感じた。

# by jamartetrusco | 2015-04-05 00:29 | Vita (人生)